農業は我が国において①食を供給し、②中山間地域の生活を守り、③景観と環境を保全し、④さらには水害から市街地を守る、言うまでもなく大変重要な産業です。
戦後の農業政策は小作農を護送船団式に守り、産品の安定供給と市場価格の維持を主眼とし、現在においては一つのゴールに到達したと考えられます。
つまり、「国内市場で一定の品質で同じようなものを大量生産する」農業が奨励されてきました。
一方でTPP交渉に見られるような外圧、消費者ニーズの多様化、専業農家の激減といった潮流の中で、今後の農政には既存の価値観を打破する改革的視座が必要になるでしょう。
その取り組みの一つとして、いわゆる自然農法の普及は面白い方向性だと私は考えます。
この自然農法とは、【不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)を特徴とする農法。(引用:wikipedia)】というものです。
いわゆる有機農法、オーガニック農法を更に自然回帰させたところに位置づけられます。
雑草の根が張り巡らされることにより土が耕され、微生物の生態系が安定することや、根圏の異なる作物を混植することで雑草の繁殖を抑えられることなど、様々な利点があります。
当然のこと課題もありますし、何と言っても現場の農家さんの共感が得られないことには始まりませんが、この農法のための技術開発・革新が進めば、農業の多様性を図り、新しい需要を喚起することも可能ではないでしょうか。
とにかく糖度の高く虫食いのない綺麗で見た目の良い野菜は、見栄えがよく生食に無難です。
その反面、手間ひまがかかり、農薬を多用する必要があり、野菜そのものの風味・野性味が損なわれがちです。
何と言っても、「自然」というキーワードは老若男女を問わず多くの方々の共感を得るものです。
これからの我が国の農業存続を前提として、様々な可能性を探り、実現できるよう、私も勉強を進めてまいります。
以上