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ぼくの名前はナッツ



雨上がりの午後。
近所のパトロールは、僕の仕事。
夜には、酔いちくれが闊歩するこの通りも、昼間は変わっている人しか通らない静かな通り。

朝から降ったり止んだりの一日。
濡れている道路に自慢の肉球が気持ちいい。だけど、こんな日は黒い道路に隠れて、自慢の黒毛の身体が目立たないのが口惜しい。

僕の名前はナッツ。お酒のお供のピーナッツのナッツではない。黒猫だからって、「魔女宅」とも関係なければ、「ヤマト宅急便」とも関係ない。飼い主が面白半分に「ナッツ」とつけたんだと思う。

僕の住処には、もう一人雌猫のココがいる。
女心はさっぱりわからない。ココのやつ。いつも遠くから僕を馬鹿にしたような顔で見ている。いわゆるツンデレ猫。

自由に振舞ってこそ、猫らしいくて可愛い!って遊んでもらえるのに、ツンツンしていて何が楽しいのか僕にはわからない。

世界は僕のためにある。
髭の飼い主くん。夜になっても今日は帰らないからなぁ。




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