Social Business News No.003
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起業準備中@縄文野菜工房
火焔土器の里からのチャレンジ
昭和32年に長岡市に合併した新潟県長岡市関原地域。この地域は元来地盤の固い地域であり、上質な地下水が採取できることで有名な地域である。そして、隣接する小さな町、高寺町。その昔、高寺城があったというところに「縄文野菜工房」という農園がある。
この高寺町のすぐそばに「火焔土器の里(馬高遺跡)」がある。今回は、この地域の元気なお姉さま方の人生初プレゼンテーションの準備が私の今回のMISSIONです。
「火焔土器の里で採れた縄文野菜を県内の大手有名居酒屋グループが主催する1次産業事業者向けのコンペに出展しプレゼンをする。そのための資料を作っるというもの。
高寺町をGoogleMapで探してみた。 |
NSGグループが運営し、新潟県長岡市から委託事業として展開しているながおか起業支援センター主催の「社会起業家塾の講演会」に出席した時の話。
目が合ったお姉さんがいた。
「あああああっ、小川さんだよねぇ!会いたかったの?」と逆ナンパ!(そのとき、実は顔に見覚えがありながらどちらでお会いしたかたか全く思い出せず、右往左往)→2度目の打ち合わせのときに、友達のお母さんであることが判明(;´・ω・)
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唐突な再会でしたが、「あなた会いたかった!」なんて言われればうれしくなっちゃう。早速、お話を
聞かせていただきました。
どうやら、このコンペに参加し勝ち抜きことで高寺町の農園を利用した、地域おこし事業の足掛かりにしたい。具体的内容は、縄文野菜ブランドをうたった農地を利用し、農家レストランや農業人の育成やインバウンドでこられた外国人向けの体験型農園などをやりたいとのこと。
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この話の中ででてきたキーワード、「火焔土器の里」「縄文野菜」???
火焔土器といえば、文化庁が4月25日、日本遺産に「信濃川流域の火焔型土器と雪国文化」を認定したというNEWSが記憶に新しい。
さらに、これより、半年ほど前。ギャラリーカフェ沙蔵のオーナーで現代画家の松本泰典さんと「信濃川文化圏」について語り合っていたのを思い出した。
しかし、より具体的に頭によぎったのは3つの疑問。
- 縄文時代の野菜を栽培しているのですか?
- 火焔土器の里といっても、馬高遺跡のところの話ではないですよね?
- 人口減の時代、生産人口の低下とともに野菜の消費も減る中、ニーズがあるの?
写真は代表の吉田さん。 |
縄文時代の野菜を栽培しているのですか?
確かに新潟県は非常に多くの縄文遺跡群が点在する貴重な地域です。人口が少なかったといえ、川や山などからの採食だけで循環社会を長期にわたって形成していた縄文の知恵や地域特性は、信濃川文化圏の重要な地域資産です。とはいえ、採食中心の時代に食べられていた天然種の野菜なんて、現在に栽培しても消費者のニーズにこたえられるようなものとは思えません。
その辺をお姉さまにお聞きすると
「違う違う!縄文時代の野菜なんて、どんぐりとか栗とかよ。」と真っ向から否定。よくよく聞いてみると、縄文人が住んでいた地域で栽培した野菜だから「縄文野菜」というネーミングにしたとのこと。
きっと、この一文を読んだ人の多くが、なんか違和感を感じたはず。なんか違うんじゃない?って。そこで、私は発想を少し変えて、縄文人と共有している「土」が同じなのだから、「縄文野菜」といブランド名でいいということに頭を切り替えた。
歴史に詳しい人こそ、あ~だ、こ~だ、いう人がいるかもしれない。迷うことなく縄文野菜ブランドで勝負しようと思った姉さんたちの思いっきりを支持したい。
火焔土器の里といっても、馬高遺跡のところの話ではないですよね?
この話の舞台は、長岡市関原地区の奥の高寺地域のお話し。世界で唯一「火焔土器(馬高遺跡で見つかった火焔型土器のみ正式に火炎土器と言われる)」の見つかった馬高遺跡から500mくらいの小さな集落の話。近いといっても、そこに縄文人が住んでいたというのは、少しこじつけ過ぎていませんか?
その辺をお姉さまにお聞きすると
「馬鹿ね!移動手段は足しかない時代。500mなんて生活圏でしょ。高寺だって、掘れば何かしらでてくるでしょうけど、まだ掘っていないだけよ」とのこと。
脱帽。
人口減の時代、生産人口の低下とともに野菜の消費も減る中、ニーズがあるの?
お姉さまにいわく!
「農業なんてお金にならないの。作って売ったっても二束三文。人口が減るってことは、野菜の健康を無視して、無理やり収量を増やすような栽培をしなくてもいい!ってことじゃない。
つまり、人口減少は大量生産でコストを下げた大量消費時代の終焉がきたのよ。プラント栽培の技術が確立され、駅前野菜ファクトリーで良質なノンケミカル野菜が栽培できるようになるのも、すぐ目の前の話だろうけど、広大な耕作放棄地域と消滅集落が日々増え続けている現実でしょ。
人工知能やロボットが人の仕事を代わりにするような時代が目の前に来たのなら、尚のこと人は大地で採れる収穫物への原点回帰が起こると思わない?
それに。信濃川文化圏を中心に発展した新潟の縄文文化は、世界の4大文明に匹敵する遺産でしょ。どんな形であってもこの資源を有効活用し、未来につなげることがこの地域に住んでいた縄文人を先祖に持つ私たちの使命よ。
そう思わない!小川さん」
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私の感じた3つの疑問なんて、オオカミにお尻をパクっとかじられたような勢いで一刀両断にされてしまった(フッと、友達の顔を思い出して、紛れまなくこのお母さんの血筋だと納得(;´・ω・)
お話をいただいた段階で、コンペの日時もきまっており、すでに参考書類を提出済みの状態でした。私がいただいた時間は10日ほど。歯茎が病んで七転八倒していた日々と丸かぶり。でも、部屋でもがき苦しみながらも、松本さんと話していた信濃川文化圏に思いを走らせることのできた楽しい日々でした。
信濃川文化圏とは?といった話は、また別の機会にいたします。
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プレゼン資料はどうなった?
すでに納品済です。最終的な修正は、まちキャンをお借りしてプレゼンのシミレーションを繰り返しながら彼女と協議しつつ完成させました。
今回、重視した点。
- 居酒屋からお客様に新たな価値観と新潟の魅力を伝える。
- 新潟で観光資源として可能性を秘める資源の活用の提案。
- 世界向けて、新潟の魅力を発信しようとするパートナーを探している。
この3点をA3カラー両面1枚にストーリーだてて集約しました。
この資料の作成において、
孫の面倒がみなくちゃ!といいながら何度も足を運んでくれたクライアントの五十嵐さん。
新潟を作り上げてきた「水」「土」というキーワードを私に教えてくれた沙蔵の松本さん。
1枚で資料をまとめるとう方法を惜しみもなく教えてくれた小出さん。
なんとか、良い結果につながってくれれば良いと思っています。
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